影
張芸謀の映画。
ネットに出たんで、早速見てみました・・・
結論から言っちゃうと、私的にはまあ普通におもしろかったってところですかね。
この映画、私の周辺では呉磊が出てる映画ってのが一番の話題で、超と孫儷夫妻が久しぶりに共演してるとかいう出演者の話題の他には、画面がほぼモノトーンとか程度の情報で視聴。
個人的な好みでいうと、「英雄」からこっちの張芸謀の古装劇映画(といっても、たくさん見たわけではない)は画面はきれいなんだけど、色彩の使い方が私の好みではないんです。
英雄の強烈な白、赤、水色の衣装、十面埋伏の色彩がちらちらする画面が念頭にあって、用心しつつ見たわけです。
その点で行くとこの映画、人の顔や体に薄い色がついている以外はほとんど白黒。映像処理と衣装やセットの配色で作り出した画面だと思いますが、「英雄」や「十面埋伏」「満城尽帯黄金甲」なんかよりは目に優しかった・・・
内容は、黒沢映画の「影武者」の主人公をアクティブにしたような感じといったらいいすぎでしょうか?
沛国大都督子虞は、敵国の将軍楊蒼との戦いに敗れ、傷つく。それまでの彼とは全く違う幽鬼のようになってしまいその様子を隠すために、子どものころから養ってきた「影子」境州を身代わりとして表に出す。そして、ひそかに楊蒼の槍を破るための方策を妻の小艾、境州と共に編み出す。
沛国の王沛良は敵国との戦いを避けるために、妹の長公主青萍を楊蒼の息子楊平の妻にしようとするが、妾にならしてもいいという返答にも承諾をしてしまうような人物。
楊蒼が胡軍。楊平が呉磊ですが、呉磊、「闘破蒼穹」でこの逆の設定をやってたっけw
激高した長公主は朝廷を見限った子虞の行動に同行することになる。
ここから、楊蒼軍と子虞軍の戦いなんですが、片方は槍、片方はなんというかこういうものをぐるぐる回して戦うわけです。異様ですが、美しいとは思えない・・・冗談かと思った。
大都督子虞の身代わりとして表に立っていた影子が自らの意思を持って動き出すという展開もお約束ですか。影武者話だと知った瞬間に見当ついたw
最初のシーンも最後も小艾の孫儷で終わるのですが、ラストに彼女がどういう決断を下したかが後に残る仕組みになっているようです。
超はこの幽鬼のような大都督子虞とその影武者境州を演じています。子虞と境州、小艾が同じ画面に登場することが多く、子虞と境州が直接に戦ったりする場面も多いのですが、こちらの合成は上出来でした。
一人の俳優が同時期に演じているのに、ただ忠実な影人から自分の価値を知っていく逞しい体の境州と、復讐に凝り固まったエキセントリックな病身の子虞が全く別の人間に見えるというのはさすがです。
超と孫儷は、役作りには定評のある人たちなので、ここでも入り組んだ人間関係、感情の変容を目いっぱい表現。沛国の人物たちはだれもかれもハイテンションで見ていて息苦しい感じ。
敵国の将軍楊蒼サイドの方が普通に見えてしまう。
画面では、白黒の陰陽マークの上で戦うという場面が多かったのですが、これはこれで何か見覚えがあるような・・・
やっぱり映像は美しいし、水墨画調と打ち出した画面はこれまでと違って私好み。
俳優陣もいいんだけど、機械仕掛けの武器方面が・・・
文句言いながらも、映画館に来たら見に行くと思います。
それを言うなら、浮かぶ金魚見たさに「狄仁杰之四大天王」も見に行くでしょうね。「古剣奇譚2」映画版は日本に来る可能性はないでしょうけど・・・ま、もういいやw
演 員 角 色
超 飾 境州・子虞
孫 儷 飾 小艾
鄭 飾 沛良
王千源 飾 田戦
胡 軍 飾 楊蒼
王景春 飾 鲁厳
關暁彤 飾 青萍
呉 磊 飾 楊平
職員
出品人張昭、程武、艾秋興
制作人張昭、程武、廉洁
原 著朱蘇進
導 演張芸謀
編 劇李威、張芸謀
撮 影趙小丁
美術設計 馬光栄
動作指導 谷軒昭
服装設計 陳敏正