1~24集
年末から見ていたドラマがそろそろ大結局を迎え始め、これが今年一番に最後まで見たドラマになりました。正月らしくない重苦しいテーマではあります。暑苦しいのは遠慮したいけど、重苦しいのは歓迎なのです。
越年で配信され、OriginalSinという英語タイトルもついています。日本語でいうと原罪でしょうか?
ミステリドラマなので、詳細は避けますが、中国のミステリドラマでよく見かける登場人物自身に関わる大きい事件を外枠にしてその中に個々の小さい事件を配置していくという組み立てです。各事件は4集でひとくくりとなって、計6つのエピソード。ちょうどいいテンポでした。
撮影地はマレーシアで、主だったキャラを除くとほとんどがマレーシアの俳優とスタッフで構成。ただドラマ的には中国の架空の都市樺城市という設定になっています。
主人公は、尹正演じる陸離と翟天臨演じる池晨の二人。陸離は刑事で捜査チームの隊長、池晨は元はかなり危ない弁護士だったが陸離のために弁護士資格を剥奪され、今はバーの雇われ店長をしている。
その池晨が最初の事件で、陸離に協力し、事件を解決に導く。
ところがこの陸離と池晨には、26年前に連続殺人犯によって殺された被害者の一人が池晨の姉、そしてその連続殺人犯が陸離の父だったという因縁があった。
それをわかりながら池晨を刑事として警察に入れた陸離たちの上司董局長。彼は陸離が前任の張局長を殺したのは陸離だと聞かせて、機会を見つけて彼を殺せと池晨に命じる。しかし、それが腑に落ちない池晨は陸離と共に街で起こった事件の捜査を始める。
いきなり刑事として捜査チームにねじ込まれたにしては池晨の捜査能力が高すぎるとかいろいろあるんですが・・・ま、この際スルーw
この陸離と池晨の緊張関係に、26年前の事件、さらに陸離の別れた妻呉文萱の家族三人が刺殺された事件、董局長の前任者張局長の死の疑惑、樺城市を覆う黒い影といくつもの謎が絡んでドラマが展開。
大結局まで見終わっても、すべての謎が明らかにされてはいません。そういう意味ではこれもまた第2季回しなのかもしれません。でも、この主人公たちによるドラマはもうエンドマークだついているんです。だから、終わってないドラマはよいドラマじゃないと思う私でも、これは「きちんと結末をつけた良いドラマだった」と思える作品でした。
26年前の連続殺人事件は果たして陸離の父親陸一鳴の仕業なのか、そうだとしても全部がそうなのか?
張局長の死の真相は?
陸離は呉文萱の起こした事件の真相を本当に知らなかったのか?
池晨の姉はなぜ殺されたのか?
董局長たちのバックにいる大物とは?
池晨の店のボスたちを襲ったのは?
とか、たくさんの謎は残ったままだし、「警察」ドラマとして捜査手段とかそれでいいの?というような描写も多いんですが、不思議なくらい不満は残ってません。
尹正と翟天臨の演技がよかったこともあるし、このストーリーであっさりすべての謎が解決してしまったら、それこそ嘘くさい。原罪というタイトルにふさわしく、この舞台になっている樺城という街そのものが持っている原罪、主人公も含め登場人物たちが持っている原罪は決して消滅しないという解釈でしょうか?
先行した姉妹編「無証之罪」も同じような暗いものを残したエンディングになってたように思います。
熱血系の刑事、だけど父親が連続殺人犯という事実を抱え、事件を通して知り合い結婚した文萱とは娘が生まれたが離婚、ずっと不眠症に陥っている陸離。ぴりぴりした彼に対して、事件関係者に軽妙洒脱に関わりながら事件の解決を目指す池晨も、姉の死は自分に責任があるとずっとトラウマを抱えている。この二人の演技がよかった。
尹正は霍建華の「他来了、請閉眼」で知って以来、個性的な演技にずっと注目してきた俳優です。今回もあまり瞬きをしない彼の眼の演技がよかったです。
対して、翟天臨。初めて見たのが馮紹峰の「蘭陵王」・・・私的に微妙なドラマの気に入らないキャラであまりイメージよくなかったのです。軍師聯盟とこれですっかり見直しました。
それにしてもこの二人今年32歳とは思わなかった。翟天臨ってもっと年長だと思ってた。
演員
翟天臨 飾 池震
尹 正 飾 陸離
白 冰 飾 呉文萱
顔卓霊 飾 索菲
李若寧 飾 温妙玲
李晨晖 飾 鄭世杰
章 申 飾 董令其
李光复 飾 張局
姜大衛 飾 陸子鳴
鲍起静 飾 陸母
恬 妞 飾 池母
職員
出品人 龚宇、何俊逸、喇培康、李遂芳
監 制 韓三平
導 演 葉偉民
美術設計 鄭鉄軍
動作指導 黄偉亮
造型設計 陳慧群