ドラマのテンポが相当に速いです。だから飽きるとかだらけるということはないのですが、なじみのない工業関係の用語や社会体制なんかに関わる言葉に四苦八苦。ま、いっか～で進んでいくのは毎度のことですが、それでも十分におもしろいのはこのドラマの出来のよさ？

　一人一人のキャラの人物設計がきちんとできているので、私のように人間関係を中心にドラマを見ていても不満はないです。

　小雷家では雷東宝の主導で今度は電線を作ることになる。売れる商品を作る、儲ける、生活がよくなるという脱「貧しさ」プロジェクトなわけですが、資金力もなければ、十分な経験も知識もないという中でのイケイケどんどん。あちこちに無理が出てきます。

　雷東宝は愛妻宋運萍が妊娠し、日々大きくなるお腹に幸せいっぱい。

　これまで苦労を重ねてきた宋家の両親も、運輝は大学を出て金州化工の技術者で前途洋々、娘のつれあいは小雷家の書記で地域の有力者、娘は妊娠中と喜んでいる。

　ところが、その一家を悲劇が襲う。雷東宝がトラブルで不在の間に宋運萍が大出血を起こして、亡くなってしまいます。

　失意の雷東宝は家に閉じこもって飲まず食わずで嘆き続ける。彼を心配する小雷家の人達の依頼で宋家の両親が彼を諭す。

　ようやく再び仕事を始めた雷東宝だが、課題は山積み。宋運萍と一緒だった時には楽しそうに仕事してたのに、今は仕事をがむしゃらにしていても何か空虚な雷東宝。

　金州化工の宋運輝も、見事に権力争いに巻き込まれてしまう。退職に追い込まれた水書記と共に、現執行部が新規に取り入れようとしている設備が国際的にはすでに時代遅れだと主張する。誰が見ても、去り行く権力者によって行くことは自分の将来を閉ざすようなもの。ところが、明日は退職というところまで行って、一夜明けてみれば水書記の退職は延期、再び金州化工を掌握する力を取り戻す。どろどろでしょうが、そのあたりはご想像にお任せな感じです。

　水書記の復活に伴う人事で宋運輝はスルーされていて、彼と同室の尋建祥や虞山卿たちはお前は水書記に利用されたと追い打ちをかけています。

　口では強がっていても傷心の宋運輝、家に帰って布団かぶって寝てますな。小学生みたいｗ

　尋建祥は街で暴力事件を起こし、10年の懲役刑となってしまう。相手は宋運輝の大学の同室虞山卿。この虞山卿、表面では宋運輝を気遣いつつ、実は裏で・・・というエピソードが重なります。

　口も悪いし、態度も悪い尋建祥ですが、宋運輝のことを本気で心配しフォローしていた彼が退場して寂しくなりました。

　工場での事故を未然に防いだ宋運輝に程工場長の娘開顔が魅かれた様子で、これから恋愛話も入ってくるのですね。

　会社では外国に派遣するメンバーの一人に翻訳者として宋運輝が選ばれる。虞山卿が弾かれたわけでこれでまた彼の嫉妬が募りますね。

　小雷家は行政単位として村に昇格、雷東宝達は新しく養豚場を設けようと計画している。しかし、帰郷した宋運輝から見ると彼らの電線工場も、この養豚場も環境への配慮もなければ汚染を防ぐ設備も全くなく、雷東宝もその危険性とか汚染処理の必要性が理解できない。危ないです・・・

　29集に来て、ようやく第３の主人公楊巡が本格的に登場してきました。ここにいても芽が出ないと東北に行っていたのですが、商売で儲ける気満々で彼女を連れて戻ってきました。

　主役の三人はそれぞれ改革開放の時代を体現しているのですが、企業の技術者として頭角を現す宋運輝、地方の貧しい村の書記として「豊かになる」をスローガンに力任せにのし上がっていく雷東宝、そして全く背景なしに口八丁手八丁で商売を立ち上げようとしている楊巡というまったくキャラの違う三人が出そろいました。

　妻の死、周辺の自治体との摩擦や村の中で凝る課題にとうとう胃潰瘍を起こしてしまった雷東宝ですが、彼がこれから直面するのは公害問題や豊かになりつつある村の中での不調和でしょうか？宋運輝は金州化工の中で存在感を増すとともに虞山卿との関係がこじれ、やがては結婚問題も出てきそうです。　

　宋運雷は柔軟さを学べと周囲から説教されてますが、雷東宝も世間と折り合っていくことを学ぶ必要がありそうです。

　この二人に比べ、ドラマの中心にやってきた楊巡には世間を自由自在に渡り歩く「韋小寶」の面影がどこかあります、絶好調のうちはいいですけどね～彼の仲立ちで大量の電線の取引を始めた雷東宝のところも大丈夫なんでしょうかねえ。

　などと、先読みしつつ中盤から後半に差し掛かったところです。

　と、中間報告でした。間違ってたら、ご指摘よろしく！