1~12集
春先の古装劇規制が嘘のように見たい古装劇がいっぱい出てきて大忙し迷子です。
「九州縹緲録」は「九州海上牧雲記」「九州天空城」に続いて、「九州」と冠したこのシリーズのドラマの三本目。「九州」とついてないのだと、途中で放り出したままの「華胥引」もシリーズのひとつらしく、そういや羽人が出て来たな~と今さら気が付いた。でも、多分もう見ない。
「九州天空城」も7集くらい見て放り出してあるんですが、こちらは張若@秦明@法医秦明が陳若軒@方木@心理罪をいびってたな~というのとエンディングを歌うTFBOYSがめっちゃ子どもだというのだけが記憶に残ってる。「華胥引」と同じく多分もう見ないと思う。
今回の「九州縹緲録」はまた違った原作者なので、まるっきり物語のタッチが違います。
これが九州シリーズのおもしろいところでもあり、困るところでもあるかな~
でもまあ、同じ原作でも嘘~~ってのもいくらでもありはします。
「九州縹緲録」の舞台となる時代は、「海上牧雲記」の時代よりはるか以前となります。
北陸の草原の王国青陽部の大君の世子呂帰塵は生まれたときに災いをもたらすとして、身分を知らされずに真顔部の族長の息子阿蘇勒として育ってきた。しかし、その「父」が大罪を犯したとして一族青陽大君の命で滅ぼされてしまう。そして阿蘇勒は世子として青陽部に戻ってくることになった。ここでは末子相続なんですが、すでに成人した兄たちがいて後継ぎ巡って揉め事起こるのは必至ですね。
2年たって、青陽世子としての自覚も生まれ、大君と親子の情もできてきたところに、下唐国から拓跋山月将軍がやってきて大君の息子と郡主との縁組、その息子を下唐国に留学させる、早い話が人質・・・という話を持ってくる。
上の息子たちがみな拒否する中、末子で世子である阿蘇勒が名乗り出る。
こうして父から呂帰塵という新しい名前を与えられて九王に付き添われて下唐国へと向かうことになった。
この災星として生まれ・・・という設定は海上牧雲記の牧雲笙とも似通ってはいますが、キャラは全く違ってまっすぐな好青年という感じです。
でも、彼もやはり追い詰められるととんでもない戦闘力を発揮するので、正体不明というところでしょうかw
彼が下唐国で出会うのが姫野。小妾の子として生まれ、長男でありながら、父親には無視され、正妻や弟からはコケにされ続けている彼は長槍の腕を頼りに戦場で手柄を上げ、のし上がっていこうとしている。
この二人と本物の郡主が呂帰塵との縁組を嫌がったために急遽郡主ということになった下唐国に身を寄せる羽族の娘羽然が出会い、友情を深めていきます。
下唐国を狙う离国の世子が青陽部と下唐国の結びつきを断とうと呂帰塵一行を狙ったり、その敵討ちをしたりとアクションシーンも満載。
离国が攻めてきて下唐国との間で戦争が勃発。もともと圧倒的な戦闘力を持つ青陽部の鉄浮屠をとりこみたいという狙いのあった縁組。慎重な対応を求める九王に対し、さっさと出陣を決めてしまう呂帰塵。
こちらの戦争シーンも充実していますが、なんか詰めが甘い気がするw。
各宮中での権力争いとかそこに登場する腹に一物・・・な人物たち、主人公を巡る謎とかなんとかいろいろ出て来て、今のところ大ぶろしきを広げまくっている雰囲気です。
見ていてなかなか楽しいですが、ちゃんと風呂敷たたんでくださいね。
配役は呂帰塵に劉昊然、姫野に陳若軒、羽然に宋祖児。その若手を囲んで、离国王の張豊穀をはじめ、お久しぶりな許晴、張嘉澤、張志堅、江疏影、張智尭、王鴎らが顔をそろえていて、けっこう顔なじみのある人が多い感じです。
劉昊然の阿蘇勒(呂帰塵)はなかなか複雑な背景を持つキャラになりますが、草原での少年時代、青陽部に移ってからの世子ぶり、そして下唐国に来てからの他国の王子としての立場を心得た貴公子ぶり、姫野たちに見せる子どもっぽさとメリハリがついていて演技力を感じます。
陳若軒は正直「またいじめられるの~」と思ったりもしましたが、こちらは劉昊然の呂帰塵と対照的に自分以外の何者も信じずあてにもしなかった孤独な少年が友人を得、次第に武人としてのし上がっていく姫野を好演しています。
宋祖児の羽然は、登場時点でまたうざいのが・・・と思いましたが、他のドラマのような理不尽なけたたましいキャラではなかったので一安心。下唐国に身を寄せている彼女にもまだまだ複雑な背景がありそうです。
私としては、この三人が恋愛関係でもつれたりしないことを強く希望しています。そんなうざいの見たくもない人です。
史実の上に大ウソ・・・いや虚構世界を構築している「長安十二時辰」とは違って、九州シリーズは虚構の上に虚構世界を築いているのですが、それに引っ張られてしまって話が膠着してしまうのが心配。「海上牧雲記」があれだけ衣装やセット、小道具に凝りに凝っていたけれど、結局ドラマとしては中途半端に終わってしまって最後までできるかどうかもわからない・・・というのが念頭にちらつきます。
こちらも俳優のギャラにはそんなに予算使わなかったとかいう話も見かけますし、衣装のデザインはできもなかなか、CGもしっかりしてるし、戦場場面や戦闘場面も充実してると思うのですが、それだけに逆に心配になってくる。
衣装もセットも大事ですが、ドラマをきちんと完成させることの方がもっと大事なんじゃないですかね~というのが、最近やけに目につく「下集にご期待」。いや、できればいいんですよ、できれば・・・
個人的には「海上牧雲記」よりこの「縹緲録」の方が好みに合ってるんですが、ちゃんと終わるんでしょうね~なんかこちらも原作は膨大なようで不安。