法医秦明2清道夫 1~20集
張若主演の第1季に続く第2季。脚本などに一部のスタッフが続けて参画していますが、演員は総とっかえ、舞台の「龍番市」の撮影地も大連から武漢に替わり、ドラマ全体の雰囲気が相当変わっています。
これ、張若の第1季がなくて、いきなりこれから見たら相当に出来のいいミステリだったと思います。第1季の出来が良すぎたというか、完成度が高かったせいで、比べられてしまって損をしてるのが気の毒というか、残念というか。しかもミステリ部分というよりキャラクタ設計の部分で差がついてしまってる感じで、演員の皆さんにはお気の毒・・・
全体の構成は、龍番市警察の法医秦明のところに新人の法医の女性が着任。彼女と刑警隊の大隊長林静の3人を中心に話が進んで、前20集の前半は個別の事件、後半はそれらの事件も含めて連続した話になって、秦明自身ににも関わり、19集あたりで女性法医が犯人に誘拐されて、秦明が現場に乗り込み、林静が駆けつけて・・・とほぼ同じ枠組み。
主役3人が、実年齢で行くと今度の林静と陳詩羽の中の人は前作の中の人より年上なんですけど、前作に比べて年齢が低く見え、秦明にしても新しいヒロインの陳詩羽にしても腕利きの法医というより学生にも見えてしまうんです。林静の劉暢はどうにかすると陳暁に見えてしまったのは別の話w
今回のドラマは「清道夫」の事件を一貫して扱っています。悪事を働きながら、法の網をくぐって逃げおおせている悪人を惨殺し、その現場に「清道夫」という血文字を残していく犯人と秦明たちの戦いが描かれています。
前作のエピソードを踏まえて、今回の話があるのは「第2季」という位置づけだからですが、第1季の秦明が亡き父親の冤罪を晴らす話とか一言で済まされています。その代わりに大学時代の恋人で交通事故で亡くなった歩心搖という女性が登場、彼女の父が秦明の恩師で筆跡鑑定の専門家として関わってきます。
このことが秦明と父歩兵たちに影を落としている設定ですが、前作からつなげると彼女の存在が唐突に見えてしまってます。
いくつもの血生臭い事件を追ううちに、この歩心搖の事件と清道夫の事件に関わりがあることが見えてきます。これが犯人?とみなす人物も複数登場、何人もの人間が次々この事件にかかわってきて、さて、真の「清道夫」の正体は?と事件の核心に迫っていきます。
普通によくできてる推理ドラマだとは思うんです。
前作と比べて何が足らないかというと「ゆとり」というか「遊び」でしょうか?秦明の潔癖症も最初で少し触れられますが、すぐにもう忘れ去られてしまったようです。恩師老兵が「仕事ばかりで君には友達なんかいないだろう」と指摘していますが、ほんとにそういう感じで熱血法医、熱血刑事で私生活が見えません。
前作だと秦明は人体を知るためと言いつつ洋服を仕立てるのが趣味だったり、林静には姿を見せない謎の「彼女」がいたり、ヒロインは見合い話に困惑してたりというエピソードがありました。今回は秦明の学生時代の恋愛は出てきたものの、現在の彼らの私生活に触れる部分とかはほとんどなし。
主な舞台になる警察内部も前作より暗くて雑然としてよく言えばリアル、ストーリ的にも事件を追う刑事たちの活躍が緊張感をもって描かれてますが、秦明達3人の軽妙なやり取りとか秦明の毒舌は姿を消してしまっています。
この辺が比べられたら損だよな~と思う理由です。
劉冬沁の秦明は無口でひたすらに事件に向き合う若い天才肌の法医を生真面目に演じています、幻城の熊王よりはずっと表現者としてはおもしろい役だったのではないでしょうか。彼に第1季のような秦明像を求めなかったことは間違いではないと思うんですが、その代わりになる劉冬沁版秦明のsomethingがもっと欲しかったとも思います。
演員 角色
劉冬沁 飾 秦明
劉 暢 飾 林涛
于莎莎 飾 陳詩羽
楊凱淳 飾 唐思思
王 輝 飾 歩兵
李逸男 飾 韓天峰
李劲峰 飾 劉杰明
盛朗熙 飾 歩心瑶
要 武 飾 譚局長
賀雲慶 飾 張軍
潘宜剛 飾 李宏偉
于新博 飾 江浩宇
出品人張朝陽、黄隽青
監 制劉明麗
原 著秦明
導 演李爽、陳嘉鴻
編 劇郭琳媛、何凌、周銓、李尭、張曼璐、王英曜、練青
美術設計宋宏超
造型設計劉輝